兵庫県明石沖で立ち往生を続けていた大阪と福岡を結ぶカーフェリー。
18日大阪港を出港して、福岡に向かっていた便が、急病人を下船させる中、
ブイに接触する事故を起こし、25時間を経て大阪港に帰ってきました。
507人の乗客にケガはなかったのか? 安かろう遅かろうのフェリー、飛行機で1時間の距離を
13時間かけてのんびり旅していたのは、どんなお客様だったのでしょうか。
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名門大洋フェリー自損事故で大打撃








名門大洋(めいもんたいよう)フェリーは、大阪南港(なんこう)と、北九州新門司(しんもじ)
を結ぶカーフェリー。
三井商船が母体で、毎日運航。
それぞれの港から毎日2便ずつ出航しています。
時間は
大阪南港発
1便 17:00→翌朝05:30
2便 19:50→翌朝08:30
新門司港発
1便 17:00→翌朝05:30
2便 19:50→翌朝08:30
約12時間半の航行です。
船の中で1泊することになりますので、朝起きたら目的地についていることになります。
フェリーは寝台列車の船版。
一夜を船で過ごしますので、20人程度の大部屋でごろ寝する2等室から
個室内にバス・トイレ、やツインベッド、ドレッサーなどホテルと同等の設備を備えている特等室まで
予算に応じて航行の半日を思い思いに過ごすことが出来ます。
名門という名前は、「名門一家」などの由緒正しいという意味ではなく、
関連会社の以前の航路が、名古屋と門司(もじ)を結んでいたことに由来します。
今回事故に遭った「フェリーふくおか2」は「フェリーきょうと2」と共に2002年に就航。
本格的なバリアフリー対応になっており、ベッド仕様の2等洋室は、いずれも2段ベッドでありながら梯子を廃止して上段ベッドへの昇り降りを階段に変更している。また、下段ベッドとは互い違いに配置しているため、各ベッドの上段・下段それぞれの客を気にせずに利用できるのが特徴である。
【フェリーふくおかII】
2001年11月竣工、2002年10月18日就航、2005年改造。9,731総トン、全長167.0m、幅25.6m、出力19,860kW(27,000馬力)、航海速力23.2ノット(最大25.7ノット)。2015年「フェリーふくおか2」から数字表記を変更。
旅客定員697名(最大841名)。車両積載数:トラック180台・乗用車100台。三菱重工業下関造船所建造。鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共有。2015年に船名の数字表記をアラビア数字からローマ数字に変更。
引用:Wikipedia
通常旅客定員697名に対し、今回の乗船人数は507名。
週末出発のフェリーではありましたが、乗船率72%。
多くのお客様が乗船していたようです。
この時期は、大学生の春休みも始まっていますし、高校生や大学生の卒業旅行、
少し暖かくなってきたのでご年配の船旅なども盛んに行われている季節になります。
そして間もなく小中高生の春休みが始まります。
混雑を避けて多くの学生や船旅愛好家、そしてトラックや乗用車のドライバーが乗船していた日の事故でした。
話を今回の事故に戻します。
今回の事故、フェリー船内で高齢の乗客(80)が体調不良を訴えたことに始まります。
フェリーが大阪南港を出発してから約1時間経っていました。
神戸海上保安部によると、18日午後6時15分ごろ、同フェリーから「船内に急病人がいる」との通報を受け、姫路海上保安部の巡視艇が出動。フェリーは急病人を巡視艇に移すため、停泊して同保安部に連絡していた際、船体が流され、右舷の船尾付近がブイと接触した。運航する名門大洋フェリー(大阪市西区)によると、いかりを下ろしていなかったという。
この時、フェリーは兵庫県明石沖にいたようです。
緊急のことで、判断が遅れたのかもしれませんが、
もしかしたらこのあたりの一連の流れは、マニュアルにはなかったのかもしれません。
急病人は無事搬送されたようですが、困ったことに、この際、
スクリューは動き続けていたとみられ、流されブイ(浅瀬を知らせるもの)に
衝突したと同時に、海底に固定されているい接触したブイ(直径2・8メートル、重さ8トン)
のチェーンをプロペラに巻き込んでしまったようです。
兵庫県明石市沖約6キロの場所で停泊していたのは、名門大洋フェリーの『フェリーふくおか2』18日午後5時に大阪港を出港し、福岡県の新門司港に向かっていましたが、午後7時半すぎ、海上に設置された浅瀬などを示す鉄製のブイに接触しました。
「部屋で寝ている時に急に大きな音が鳴って、縦揺れがガガガガと結構長く続いたんですよ。アナウンスでトラブルを確認中ですという感じだったので、何かあったのかなと」(乗客の中堀さん)
この影響で、プロペラを破損する事態になり、海上で立ち往生となります。
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「安かろう遅かろう」で春休みの学生取りこぼし
名門大洋フェリーは通常、大阪南港からと新門司港から毎日2便が運航しています。
超大型や航路の真上を通る台風とかでない限り、台風でも運航できる10000トン級のカーフェリー。
飛行機や新幹線にダイヤの乱れや機体や車両の不具合が最近ニュースになる中、
このような大型カーフェリーがニュースになるのはとても珍しいなと思いました。
乗用車に車検があるように、船にもドックと言って、定期点検があります。
ただいま定期点検に2隻が入っていまして、1隻ずつの臨時態勢だったようです。
(このドックの期間が予定より長くなっているという情報もあります)
そのため、通常は2便のスケジュールを選べたはずの旅客たちも、
1隻集中したとみられています。
そして、今回の「フェリーふくおかII」のスクリュー自損事故によって、
この船もドックに入るとみられています。
名門大洋フェリーは寄港地の大阪南港からほど近い「ユニバーサルスタジオジャパン」
通称USJへの旅行をパッケージした商品もシティライントラベルという子会社で販売しています。
ネット上では、3月までの予約分は全て完売。
USJ人気と、卒業旅行などで利用する顧客のニーズが絶妙にマッチして
大盛況を迎えており、また春休み本番、GWへと旅行客の更なる取り込みを期待していたようです。
今回、名門大洋フェリーが取った緊急処置は
①朝食にはパンとサラダが昼食にはカレーライスが無料で振舞われた
②全額返金+一人15000円の見舞金支給
当初は、
「現在ダイバーの方が作業を行っておりますが、潮の流れが悪く難航しております。見舞金5000円をお支払いさせていただきます」(船内アナウンスより)
とアナウンスがあったようですが、事故から25時間が経って大阪南港に戻ってきました。
※大阪南港は、目的地ではなく、出発した港です。
見舞金を当初の5,000円から15,000円に増額しています。
ざっと見積もって750万円ほどです。
これに本来は収入となるべき乗船料も全て返金となりますので、名門大洋フェリーは大打撃です。
足止めを食らった船内の人たちの様子が気になりますが、
「ロビーに人がたくさん出ていてみなさんやることがないので、早く動かないかなとずっと待っている状態ですね」(乗客の中堀さん)
Q.詰め寄ったりは?
「朝方はありました。何で動かないんやとかどうしてくれんねんとか」
騒動になるような大きな混乱はなく、丸1日が経ちましたが、
前述の80歳の急病人以外の508人は特に体調不良を訴える人はいなかったようです。
これも、カーフェリーならではかな、と思います。
船内はテレビもあります。
売店もレストランも、ゆっくり休める個室や大部屋、海も見渡せるソファ席や、
外の風を感じることが出来るデッキ席もあります。
解放されていたかは不明ですが、男女別の大浴場もありますので、
こちらが無料で終日利用できたのではないかなと思われます。
船は、破損した右舷のプロペラに絡まったチェーンを切断し、左舷のみを使って自力で
出発港に戻りました。
「(船内では)レストランがあるので、飲み物飲んだりとか寝たりとか。これからどうしようかなって感じで。またフェリーがとれたので、とんぼ返りで帰ります」(帰省予定の乗客)
「めっちゃ暇でした」(旅行予定の乗客)
Q.旅行は?
「キャンセルで。もう普通に家帰ります」
幸いなことに船への浸水もなかったようで、この「フェリーふくおかII」に乗船した皆さんが
無事に本来の目的地に到着できること、そして緊急搬送された高齢者が無事であることを祈ります。
これから社長や役員により記者会見なども予定されると思いますが、
安心して船旅が出来るように、そして原因追及と再発防止を強く望みます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
乗客は大変お疲れ様でした。
個人客は記事内容でも
仕方なく納得だと思いますが、
配送業者は積み荷の遅配や傷みが
今後、補償されるのか心配ですね。
保険になるのかなぁ?!
個人で急いでいる人はフェリーを使う事は少ないと思うので、全額返金+15,000円は妥当かなと思うが、トラック輸送で食料品などを運んでいる場合などは大打撃だろうな。
その場合はまた別の補償または保険があるのかな?
本件での怪我人等出なくて良かったな。ただ業績の厳しいフェリー会社としては厳しい事になったか。今回の事故の補償関係や修理期間中の欠航による損失、損害箇所の修理費用等でひどい事にならねば良いが。
丸一日かかったけど、無事に戻れそうでよかった。
補償金も出して信用出来るフェリー会社ですね。
丸一日乗っていた方、ほんとうにお疲れ様でした。
急病人の救助のため姫路海上保安部の巡視船へ下船中の事故とのことで、巡視船側の原因もなかったのかが気になるところ。
それにしても509人全員に見舞金1万5千円となるとそれだけでも750万超。運賃も一番安い2等で5000円ぐらいしますので、少なくとも250万の損害。その他貨物の運賃やスクリューの補修費、休業による損害、トラックの損害賠償などを考えると余裕で億が飛びそうですね。
個人の方は全額返金+\15,000補償は、良心的対応で
いいと思う 鉄道や高速道路などは事故や自然災害で
立ち往生しても、そういった対応してくれないからね
ただ貨物の運搬のトラック コンテナは色々
他にも損害が出そうで災難だったただ今回のように3メートル近いブイに何故
衝突してしまったかの原因解明が待たれます
見落としやGPS確認の不注意からでしょうかね~
近年 トラック輸送のドライバー不足などが
問題になっているけど、フェリー輸送がもっと
見直されて、航路や船舶数が増えるといいな
フェリーで安くのんびり行きたかった人は1万5千円もらえてよかっただろうけど、大部分のトラックドライバーは大変ですね。
積荷の到着は大幅遅延になるし、仮に野菜や鮮魚などを積んでいたら商品価値がなくなるかもしれない。
こういう時って、操縦士さんもパニクるだろうけど、ちゃんと冷静に対応できたことで、けが人1人出さなかった。
教育が生かされてると思う。
引用:Yahoo!コメント
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