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事件は3年半前、2014年4月14日午前11時15分頃の運動会練習中だった
組体操の事故が最近多く聞かれるような気がします。
その一つが和解を迎えたようです。
事件を振り返ります。
2014年4月東京都世田谷区立武蔵丘小学校6年生だった男子児童は、運動会の組体操練習中、二人一組で「補助倒立」を
組んでいた時にペアの子に足を取ってもらえず、バランスを崩して着地に失敗し体育館の床に頭と背中を強打。
その後視覚障害や頭痛を発症して入通院を余儀なくされ、一年程車椅子生活が続いた。
男子児童両親が、後遺症が残ったとして世田谷区と担任教諭に約2000万円の損害賠償を求める訴訟を
東京地裁に起こしたもの。
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両親の思い、男児の現在は?
男児は事故当時小学6年生、現在は中学3年生。
成長著しいこの時期に、事故の後遺症でいまも激しい頭痛に悩まされ、一人で立つこともままならず、
車椅子生活を強いられた時期もあったようです。
そして現在の様子は
「中2までは、学校に通えても毎日4時間が限度で、給食で帰ってくるとぐったりしていました。体育も参加できない内容が多く、行事への参加も限られていました。頭痛・腰痛などの症状に悩まされながら学校に通っていました。中3からは受験を意識して、学校内で休憩させてもらいながら、なんとか6時間目まで学校にいようとしています。しかし、昨日は授業中に疲れで倒れ、保健室に運ばれたので、私が迎えにいきました」
と母定松啓子(ひろこ)さんから語られています。
訴状によると
(1)耳の病気で回転運動が難しいと申告していたのに倒立をさせた
(2)マットを敷くなどの安全措置も不十分だった
とのこと。
男児はペアを組んだ相手の子より身長が約八センチ高く、体重が約六・五キロ重かったが、体格差のある児童同士で
ペアを組ませるなどしており、「担任が練習を間近で見て、安全に注意する義務を怠った」と訴えた。
また生徒側は担任が床にマットを敷くなどの安全措置をせず練習不足のまま倒立をさせたと指摘も。
提訴後、ご両親の定松佳輝(よしてる)さん(56)、啓子(ひろこ)さんは会見に臨み、
母啓子さん(46)は「いつ治るのかわからない不安を抱え、息子や家族の生活が一変した。
ちゃんとした指導が行われていたのか、本当のことを知りたい」と話し
また父佳輝(よしてる)さんは「息子の生活を考えると、できるだけ、お互いの決着できるところを早く見付けて、
解決したいという気持ちです」と。
またこの和解後も、両親は再び会見に臨み「すっきりしていない」と話しました。
両親や男児が強く望んだ元担任からの謝罪の言葉はなく、「これ以上の話し合いは無駄」と感じたためでしょう。
和解の内容は、世田谷区が
(1)謝罪すること
(2)安全面に配慮した内容や指導方法を徹底させること
(3)損害賠償金1000万円を支払うこと
生徒側は、元担任も相手取って提訴していたが、最後まで謝罪がなかったため、この日に訴えを取り下げました。
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なぜなくならない?組体操の事故
運動会シーズンになると組体操などの事故が報道されることがあります。
危ないなら「なくせばいいじゃないか」と私は思います。
しかしながら、啓子(ひろこ)さんは
「学校で生活していれば、何かしらのケガをするのは仕方ないと思っていました。大切なのは、事故が起きないように十分に安全配慮をすること。それでも事故が起きた場合は、初動対応とその後の正しい報告、子ども・家族へのフォローが必要だと、強く感じました。組体操を廃止にしてほしいと思ったことはありません。安全にできる組体操もあると思うからです」
と話しています。
元担任の謝罪を強く求めたのは、何か腑に落ちない言動や態度があったのでしょうか。
和解というひとつの結論に着地しましたが、男児の回復と未来を祈らずにはいられません。
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